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2023-12-30 20:02:00

PERFECT DAYS

PERFECT DAYS

 

 2023年も、もう少しで終わろうとしています。

 あなたにとって、どのような年になりましたか。

 私は、新しいことを幾つか始まった感じがしています。小さなことは、新幹線チケットをスマホアプリで購入し、交通系ITを使って改札を通れました。購入したものの、ちゃんと通れるか不安でした。みどりの窓口には、長蛇の列。もし通れなかったら、あそこに並ぶのかと気持ちが凹みます。でも、文明の利器はすごいですね、ちゃんと通れました。思わず嬉しくて、スキップしてしまいました。

 電子マネーにも挑戦しました。娘にチャージや支払い方法を教えてもらいながらでしたが。「私もやればできるじゃん」と隠れてドヤ顔です。老眼で小さい文字が見えなくなっているので、スマホ操作するものを避けていましたが、何とかなるものですね。

 

 先日、映画「PERFECT DAYS」を観てきました。東京の公衆トイレ清掃員のお話です。役所広司さん演じる平山のルーティンが淡々と流れ、冒頭はこのままこの人の日常で終わるのか?そんなわけないかと思いながら観ていました。淡々とした日常に見えますが、平山は気に入っているようでした。空を見上げ、木々を愛で、トイレが奇麗になることに満足している。

 人との関わりも、拒否しているわけではないですが、かと言って誰かと親しくなる側面も薄い。でも、人と関わることで変化は起こり、それを感じずにはいられないのが人の性分。しまっていた気持ちや感情が浮かんでくるのだなと感じました。

 

 映画を観終わった後、人生を描いた映画だな、わかるような、わからないような答えがないのだろうと悟ったような気分になりました。

 

 「トイレの清掃員なんて仕事やってられるか」 と思う人は多いでしょう。

 

 でも、掃除をしてくれるから公衆トイレを気持ちよく利用できるし、街の治安維持にも貢献をしている。なくなると困る人が出る生活に密着をした仕事です。

 

 平山は、それを誰よりも実感して仕事をして、生活をしているように見えました。

 もちろん、低賃金で暮らし方も質素で、口数も少ないですが、幾度となく微笑みが溢れます。

 

 この映画は、胸打つ感動ではなく、いつまでも頭から離れないという作品でした。

 

 人は、生きる意味を探りたくなりますが、そこが見える人はいないのだろうと思っています。

 

本来は、自分が他の動物の獲物とならないために知恵を絞って生き残ることが生きる意味だった。今は、飢えることや雨風や暑さ寒さをしのぐ心配をしなくて済みます。その代わり、それとは別のところで生きる意味を探さなければならなくなったのではないか。

 

私たちは、生き延びるためではなく、生き続けるための意味を求めている。

 

 そこには、賢さがいるような気がします。

例えば、人よりも富を得ようとして満足しようとする。そこを目指して夢中になっている時は満足感を得られますが、ある程度の富を手に入れた後、何を求めるのか。巨大な富があれば誰でも幸せになれるわけではなく、お金を巡っての争いが起きることはよくあります。

その対極にいるのが、平山という公衆トイレ清掃員。本人が今の生活を納得して受け入れていることは伝わってきますが、平山が幸せかどうかまではわかりません。

 

人の数だけ人生があって、自分とどう折り合いをつけていくか。

まずは、そこから。

その先を楽しみながらでしょうか。