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2025-11-30 15:38:00

子どもが作る共同体

 

子どもが作る共同体

 

 あなたは、人間は元々善なのか悪なのかどちらだと思いますか?赤ちゃんを見ていると、可愛らしくていつまでも眺めていたくなります。その天使のような微笑みからは性善説こそ正しいのではないかと感じます。その天使も火がついたかのように夜泣きをされると、こちらの体力が奪われてやはり性悪説の方が正しいのかも知れないと凹んでしまいます。

世間には、他者をだまそうとする人がいて、他の人よりも有利に立とうとする競争があって、何処に生まれるかで経済的格差や教育水準が変わる。世の中は不公平です。

 

 子どもが友達の世界を持ち始めると、それまで頼りにしていた親を疎ましく思い、反抗的な態度を取られて寂しさや怒りを感じる親御さんは多いようです。子どもが親から離れようとすればするほど、子どもの将来が不安になります。

 

この子はどうなってしまうのだろう。

悪い道に突き進んでしまうのではないか。

私の育て方が悪かったのだろうか。

 

 心配や不安で心が埋め尽くされてしまうと悪い方ばかりに考えが向いてしまいます。戻せるものなら正しい世界へ導きたいと思っていると、その雰囲気が伝わり、反感を買うでしょう。正しい道に戻したいと思っているのは、今の子どもを否定することになります。これでは親関係が回復しません。子どもも未熟なりに考えて、危険な区域に踏み込まないように用心しているという自負心があると、認めようとしない親への怒りが大きくなります。

 

 進化論では、人類は歴史の大半を共同体で生活をしてきたので、この共同体の中で生き延びてきた祖先の遺伝子を受け継いでいると言われています。子どもが友達関係を重視するのは本能的にこの場で生きていかなければならないと感じて必死になっていると考えられます。

 

 そして狩猟民族の共同体では、そこから追い出されたら「死」を意味します。共同体から追い出されないように目立たず、共同体の優劣の順位を上げるためにある程度は目立たないとならない矛盾する行動を取ろうと必死になります。現代は、暗闇で身を潜めて寝ることもなく、明日の食料が得られない不安がなくても、未来に不安を感じるようにできているそうです。

 

 世界中にいじめやハラスメントが起きていることを考えれば、人は共同体の中での優劣の順位争いを本能的にしてしまっているのだと頷けます。

子どもは今の友達関係に共同体を感じ、そこが世界の全てだと信じているのでしょう。その子どもに世界は広いことを伝え、失敗をしてもやり直せる道があると教えたらいいのではないでしょうか。