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2025-08-31 17:58:00

お帰り

 お帰り

 

 子どもが自立して、実家に帰りたくなるタイミングは人それぞれ。私自身は、地元の友人と会うために帰っていたことを思い出します。息子と娘は対照的で、娘はフラッと帰って来ることが多いですが、息子の方は用事がないと帰ってきません。

 

 元里子とは、離れて暮らすようになってからもお出かけを通して交流してきましたが、家で会うことはしてきていません。里子からも「家に行きたい」とは言われたことはなかったです。里子と別れて暮らすことになった最後の日、私たち家族は全員傷つきました。家には楽しい思い出もありましたが、深い悲しみが強烈に残っている場所で、そこに戻ることをためらう気分を払えなくて、家へ向かうことに怖さも感じていました。

 

 外出を重ねていく中で、里子がちょっとした甘えを出してくれるように変わっていました。今思えば、一緒に暮らしていた時、それぞれに力んでいて、ぶつかることが多く、関係がぎくしゃくしていました。不思議と別れて暮らすようになってからの方が、お互いの緊張が和らいで穏やかになっていました。

 

 里子との関係が落ち着いていくと、「家」で会っても許されるのかなと感じるようになってきました。暗黙の了解のように家に近づかないでいると、何か重荷を引きずっているようだし、家で会うとあの辛かった頃に戻ってしまいそうな漠然とした不安が出てきます。でも、里子は成人して、仕事をし、自分の生活を成り立たせていて成長した里子が、あの頃のようなトラブルを起こさないと信じることにしました。

 

 里子に「家でご飯食べる?」と誘うと、すぐに「うん」と返事がありましたが、「駅からの行き方、忘れたから迎えにきて」とメッセージが届き、久ぶりの我が家に向かうのに、一人では心細いのだろうと感じました。

 

 駅まで迎えに行き、約6年ぶりに里子が家に入ってきても不思議と違和感はありません。里子がランドセルを背負って「ただいま」と帰ってきていた頃にタイムスリップしたような錯覚に陥りました。

 

 そして、離れてからずっと呼ばれていなかったのですが、

「かぁちゃん」 と呼ばれていました。

いっぱい傷つけただろうに、またそうやって呼んでくれるのだと思うと目頭が熱くなります。

やっとこの子が帰ってきた。

「お帰り」