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2024-02-29 15:57:00

サブシステム

 

サブシステム

 

前回は家族システムの境界(バウンダリー)について書きました。今回はサブシステムについて紹介します。

 

サブシステムとは、家族という大きなシステムの中で、より小さなシステムの単位のことです。夫婦、両親、きょうだいの関係に注目をします。

 

結婚して夫婦になり、子どもが生まれて父母となります。夫婦は男女の関係で、両親はその名の通り親としてどう機能するかが求められます。離婚をしたら、夫婦サブシステムはなくなりますが、両親サブシステムは残ります。

 

子どもができると、母親は夫よりも子どものことが気になるようです。子どもを護るために全力を尽くそうとするのが、母親なのかもしれません。子どもは、十数年したら親よりも友人や恋人を優先させるようになります。子どもが自立していくのは嬉しいことですが、一抹の寂しさも運んできます。

子どもが自分の世界を展開させるようになると、両親サブシステムから夫婦サブシステムが機能していくことが求められます。結婚当初は、好きあって夫婦を始めますが、子どもの巣立ち後は、恋愛感情も炭のようになっていて、お互いにどう向き合えばいいのか悩むものではないでしょうか。お互いに相手にやさしい気持ちを持てるような工夫がいります。相手に向けた言葉をどれぐらいかけられているでしょうか。その言葉に自分の愛情をのせるのではなく、関係を円滑に回すイメージで声をかけられることがポイントになります。

 

「ありがとう」「好き好き」「大好き」「素敵だね」「頑張っているね」「すごいね」

言われて嬉しくなるような言葉。口で言いにくければ、文字から始めてみるのも一つの手です。

 

サブシステムにはきょうだいサブシステムもあります。子ども同士の関係です。仲がいい時もあれば、ケンカする時もあるものですが、きょうだいの関係は親の影響を受けやすいものです。きょうだいを平等に扱っているつもりでも、

 

「あなたの方がお兄ちゃん(お姉ちゃん)なのだから、下に譲ってあげなさい」

「お兄ちゃん(お姉ちゃん)は、できるのに、あなたはどうしてできないの」

と、口走ってしまうことが起こります。

 

「ママもパパもお兄ちゃん(お姉ちゃん)ばかり気にしている」

「ママもパパも妹(弟)の方ばかり可愛がって・・・」

と、子どもから叱られます。上の子も下の子も自分より相手の方に両親の愛情が注がれるのではと怖がります。親の愛は、伝わりにくいものです。

 

サブシステムが機能するためには、関係のバランス感覚が必要になります。関係を良くしようと相手が変わることを求めてしまいがちですが、手っ取り早く変えるには自分が変わることです。自分を変えることは、私にしかできません。そして、その変化は波紋のように広がり周りに影響していく。誰もが相手といい関係でいたいと願っています。その出し方で、その場の空気の重さが変わります。誰とでも、関係を築いていくには、地道な努力が必要ですね。